教育会社としての新年の抱負
NKB通信2005年 1月11日号 代表取締役社長 秦野浩行
企業教育及び経営コンサルティングをお手伝いさせて頂く会社としての今年の抱負は、“勝ち組企業の経営ノウハウを多くの企業様に提供すること”の一言に尽きます。
21世紀は、極論すれば存続発展か、衰退淘汰に二分される経営の時代になるでしょう。過去の経済高度成長期にあっては、いわゆる中間ホドホド業績企業も、それなりに存続し得るだけの拡大市場があり、その恩恵に与ることがありましたが、これからはそうはいかない。
日本の市場開放に伴い、強大な力をもった外国企業が一気呵成に市場参入する他、国内では大規模な商流破壊により既得権化された業績を一気に喪失する。
また銀行主導による貸しはがし、貸し渋り、場合によっては吸収合併の憂き目に会いがちなのも、この中間ホドホド業績企業なのです。
丁度、日本国民の総中流階級意識層が崩壊し、貧富の二大分化が進みつつある状況とどこか酷似しています。
その意味で中間ホドホド業績企業ほど、勝ち組企業の経営ノウハウを早く学んで欲しい。
方針、戦略、営業、人材育成、制度構築、風土醸成、部門間連携などの勝利の経営法を早く知って欲しいと願う次第です。
とはいっても、この勝利の経営ノウハウとは、経営者の願いを他力本願で全て叶えてくれるといった魔法のランプごときのものでは決してないことは賢明な経営者ならおわかりのはず。
勝利の経営ノウハウとは実は知恵経営のことであり、知恵のない会社には幾ら頑張っても勝ち組企業の道は閉ざされたままとなります。
つまり、勝ち組企業では社員の考える力を引き出し強化することが得意なのに対し、負け組企業では敷かれたレールの上を余りにも長く考えることなく歩み続けてきた結果、考えることを忘れてしまい、中には何も考えていない自分にすら気づかない始末です。
先日、ある企業様の役員会議で、考えているふりをしている役員に社長が真剣に考えるよう懸命に諭している姿は、今日の多くの日本企業の偽らざる実態と言えましょう。
現実、多くの経営者から『どうしたら社員、とりわけ幹部の考える力を強化できるのでしょうか?』の相談を受けるのです。
これもまた丁度、日本国民がある日、突然に北朝鮮の核ミサイル問題や年金・健康保険破綻、はたまた増税の問題等を政府から突きつけられ、右往左往するばかりで、最適解を求めて考え抜く人が少ないこととどこか酷似しています。
そして空しく“自己責任”の4文字のみがその残像として残るのです。
以上のことから、これからの企業内教育の命題は“考える力の強化”と言えるでしょう。
本年は、勝ち組企業の経営ノウハウであるこの考える力の強化プログラムをクライアント企業様の風土に合わせて提供して参ります。
賢明な経営者、管理者、社員の育成輩出が、ひいては聡明な日本再生へとつながれば幸いです。本年も宜しくお願い申し上げます。