NKB通信

『これってマナー違反?』

NKB通信2006年9月11日号    取締役 研修部長 島根 敦

最近、電車の中で飲食をしている人を見かける人が多くなりました。
これはマナー違反なのか否か? 皆様は、どう思いますか?
例えば、新幹線の中でお弁当を食べる。この行為はどうでしょうか?
マナー違反と考える人はあまりいないのでないでしょうか。
しかし、山手線などの電車の車内でパンやおにぎりを食べる。これはどうでしょうか?
意見が分かれるところでしょうが、マナー違反であると考える人の方が多いのではないでしょうか。 同じ電車の車内での飲食なのに、一方はマナー違反ではなく、一方は違反となるのである。 山手線の中で飲食している人の言い分は、「新幹線では食べても問題ないのだから、山手線だって問題ない。」かもしれません。
何が正しいのでしょうか?
そこで、マナーとは何かを考える必要があります。
マナーとは、単なる形ではありません。いかに『お互いが気持ちよく過ごせるか、その思いやりを言動に示したもの』です。
つまり、そこにいる周囲の人たちが、その行為をどう受け止めるかが重要なのです。
例えば、町中を上半身裸で歩いていれば、奇異の目で見られるでしょう。しかし、海水浴場やその近くなら、そうは受け止められません。 このようにマナーとは、周囲の人がどう受け止めるかが重要となります。例えば、今は電車の中の携帯電話はマナー違反ですが、もしかすると、 これがあまりに当たり前となり、誰も気にしなくなったらマナー違反とはならないかもしれません。
従って、マナーが良いというのは、周囲の人に常に配慮をすることであり、マナーが悪い人は自分ことしか考えないこととなります。だから、 マナーとは大人の証拠とも言えます。
しかしながら、以前のコラムでも書いたとおり、周囲の人がどう思うか・感じるかを感じ取れない人が増えています。
先日、ある会社の社長と昼食をご一緒させていただいたことがありました。
その席での出来事です。従業員の人が、お刺身と一緒に運んできた醤油の皿を置く際、手を滑らせてしまいました。醤油は飛び散り、 社長のYシャツからズボンに、顔にまでかかってしまいました。
さて、皆さんがこの従業員であれば、この後どうしたでしょうか?
まず、謝罪。そして一刻も早く拭き取るもの(タオルなど)を持参する、醤油がとれるか確認し、ひどい場合は着替えを用意する、責任者に連絡する、 クリーニングの手配をする、でしょう。
しかしながら、その人は謝罪はしたものの、まだお盆の上に乗っていたお刺身を置こうとしたのであった…
「そんなことより早く拭くものを!」と言われて、あわてて拭くものをもってきたのです。
しかし持ってきたのがビニールに入った手拭き用の薄い紙のおしぼり、これを5~6個持ってきた。とてもじゃないが拭き取りきれない。
その上で、「社員さんに連絡をとってきます」とのこと。「社員さん?」 何で「さんづけ」なのか?
しかし、最終的に責任者が来たのは、醤油が飛び散ってから約30分後、その間、社長は醤油が飛び散った服をきたまま。しかも醤油だから、 臭いがしてたまりません。
結局、その後責任者という人によって、やっととりあえずの着替えが用意され、その後キチンとした着替えも用意されましたが、 全然こちらの気持ちを理解してくれない対応でした。なお、その責任者の持ってきた名刺は、なんとゴム印で名前が押されてました…
周囲(相手)がいかに気持ちよく過ごすかの配慮行動がマナーです。
そのためにも、常日頃から周囲の人の気持ちを考える訓練をする必要があります。CSを理念としている会社であれば尚更でしょう。

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