『学力低下の日本ならではの対処法』
NKB通信2008年 1月7日号 代表取締役 社長 秦野浩行
昨年、権威ある機関より日本の学力は世界で第10位と位置づけられました。
何でも第1位はフィンランドとのこと。
同国での学校における教育方針は、とにかく“興味を抱かせ自ら考えさせる”であり、この自ら考える力(=自考力)が学力向上に不可欠とのこと。
また、この自考力は6歳になるまでに習慣化されるかどうかで、その後の学力形成に大きな影響を与えるのだそうで、正に“六つ子の魂、百まで!”と言ったところです。
このことは弊社の多くのクライアント企業様の教育現場でも同様のことが伺えます。
特に、世に言う勝ち組企業と負け組企業との違い、またトップ営業者と売れない営業者との違いは、やはりこの“自考力”の差と言っても過言ではありません。
勝ち組企業やトップ営業には市場で勝つための知恵(=自考力)があり、またそれを育む経営システムも存在しています。
また弊社の二代目後継経営者研修でも、問題の解答を安易に教えず、まずはトコトン本人に考え抜いて頂き、自分なりの解答を固めて頂いた後で正解を示す方法を採用しています。
お陰様で、この研修運営法は多くの後継経営者から高い評価を頂いております。
その理由は、経営多難な今日、経営者こそが自社の実情に即して何をしなければならないかを自ら考え早急に決断を下さなければなりませんがその良い訓練になったからとのことでした。
今や、昔のバブル期・高度成長期の経営成功法則はなかなか通用しません。
先陣経営者の成功法則というレールに乗り、どのようにやれば良いのかさえ考えれば良かった(How to do)昔とはことなり、今は、乗るレールすらわからず何をすれば良いのかを自らで考えレールを敷くこととなります(What to do)。
以上のことから、“自考力”は、下記の方法でその強化が可能と言えます。
◇自考力の強化手順法◇
1.期限を決め一人でトコトン考え抜くこと → 知恵になる
2.自分なりの考えをまとめること → 持論になる
3.それを実行し結果の因果を考え抜くこと → 興味になる
4.再度自分なりの考えをまとめること → 自論になる
※自論を持つ過程で自考力は強化されます!
今年は、国民も経営者も社員も、好むと好まざるとに関係なく“自考力”が試されます。
衆議院選挙での与野党逆転、不明年金の照合挫折、消費税の引き上げ、脱オイル、株価暴落、環境問題、道路特定財源の扱い、少子高齢化、物価の上昇、金融機関の再統合、食の安全、偽装問題等、今まではいずれも他人事でしたが、さすがに今年あたりからは自分事となり真剣に考えざるを得なくなるでしょう。
その時に備え先ずは身近な問題から“自考力”の強化を今から図られてはいかがでしょうか。