NKB通信

『成長しなければ即死する!』

NKB通信2013年10月23日号  代表取締役 社長 島根 敦

過激なタイトルと、お感じになった方もいるでしょうが、 これはファーストリティリングの柳井社長の著書「現実を視よ」の冒頭に出てくる言葉です。 まさにその通りだと思います。

では何故、成長しなければ即死なのでしょうか。

自分に対する周囲の期待は、昨日も、今日も、明日も同じでしょうか。
同じではありません。
例えば、営業担当やサービス担当であれば、お客様の要求や期待は年々高くなっていくのが普通です。 経営幹部であれば、社員が会社に期待するレベルも、年々上がるでしょう(例:給与)。 また、どの職種・階層であっても、前期よりも業績目標が下がることは、通常ないでしょう。
このように、周囲からの期待は否が応でも年々高くなります。 そして、その期待に応えられなければ、自分の評価が下がり、存在価値すら薄れてしまいます。

では、期待に応えるにはどうすればよいのか?
それは、日々自分を成長させるしかありません。

ところで、去年の自分と今の自分を比較して、どのくらい成長しているのでしょうか? 去年はできなかったこと・知らなかったことを、今はどのくらいできるように・知っているようになったしょうか?
反対に、以前はできたけど、今は前ほどできなくなっていることがありませんか。退化と成長、どちらか勝っていますか?

自分を成長させるためにはどうしたらよいでしょうか。
いろいろな手段が考えられますが、その重要な一つが“訓練”です。鍛えない能力は向上しません。 自分に負荷をかけ訓練をすることが、自己成長には重要です。訓練に次ぐ訓練が、自己成長には不可欠です。
イチローさんも、松山英樹さんも、内村航平さんにしても訓練を欠かしません。あれだけの一流選手でもです。 いや、訓練を欠かさないから一流選手なのでしょう。
内村航平さんは、こう言っています。「体操は才能ではありません。体操は努力です。努力以外の何ものでもありません」。
イチローさんはこう言っています。「練習で100%自分を作らないと、打席に立つことはできません。自分の形を見付けておかないと、 どん底まで突き落とされます」。

ところで、“1万時間の法則”というのをご存じでしょうか。
マルコム・グラドウェルが提唱した法則で、偉大な成功を収めた起業家やスポーツ選手等、一流と呼ばれるようになる人達に共通しているのは、 1万時間、徹底した訓練や努力をしているというものです。
実際、1万時間の努力をするには、どの位に期間が必要かというと、週末2時間ずつだけだと、なんと約48年もかかります。 これが、平日4時間ずつだと約9年7か月、平日8時間ずつで約4年9か月、毎日8時間ずつで約3年5か月となります。 つまり、休日を除いても毎日8時間に真摯に努力すれば、誰でも5年で1人前になることができるということです。

ところが、毎日真摯な努力や訓練をしている人がどの位いるでしょうか?
営業研修を担当させていただいた際、必ず「毎日訓練をしていますか?」と聞きます。 しかし、「たまに実施する」なら良い方で、「ほとんど実施していない」というケースが多数です。 しかも、それがトップセールスならともかく、未達営業であってもです。 これでは、訓練以外の本番商談(真剣勝負のです)が1日に2時間あったしても、1万時間に到達するためには、20年近くかかってしまいます。 いつまでも、未達営業から脱却できるはずがありません。
管理職も同じです。部下指導対話力を高める訓練をしているでしょうか。
上司と部下の対話の場合、立場の違いがあるので、上役側に対話力が乏しく、納得していなくても、部下は「わかりました」とは言いがちです。 一見対話は上手くいったように感じますが、実は失敗しています。だから、立場が強い場合こそ、訓練をしておかないと自己満足に終わります。

関西にある住宅販売会社の話です。地元では圧倒的な強さを誇り、何年も着工棟数№1を続けています。 その強さの一つが、社員の日常的な訓練実施です。社員達が、上司から言われなくても、自主的にロールプレイングをやっている姿が、 随所に見られるそうです。
その結果、経験の短い社員は、熟練した先輩達のロールプレイングを見て、ビジュアルで成功ノウハウを吸収します。 また、最初は上手くできない若手社員も、繰り返せば必ずできるようになります。そうすれば、自信もつきます。 管理者クラスは、部下のロールプレイングを見て、力量を客観的に見極められますし、的確な指導となります。 その結果、圧倒的な強さを継続しているのです。

成長しなければ即死します。
1万時間の“努力に次ぐ努力・訓練に継ぐ訓練”を行い、日々成長しましょう。

ただし、ビル・ゲイツはこう言っています。
「“一つのことに1万時間費やせばその分野にずば抜けて強くなる”という人もいるが、私はそんなに単純だとは思わない。 実際には50時間を費やした後、90%が脱落する。好きになれない・向いていないという理由でだ。 そして、さらに50時間費やした人の90%があきらめる。このような普遍的なサイクルがあるんだ。 運だけでなく、続けるだけの熱意も必要だ。
1万時間費やした人は、ただ1万時間費やした人ではない。 自分で選び、さまざまな過程の中で “選ばれた人” なんだ」

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